ヨーロッパを旅行すると、
レストランやカフェのオープンテラスで過ごす人がやたらと多いことに驚きます。
肌寒い季節も例外ではありません。
レストランでは、テラスは満席なのに室内はガラガラなんて光景もよく見かけます。
なぜヨーロッパの人々は、そんなにオープンテラスが好きなのでしょうか?
私は、彼らにとっての「太陽光が非常に価値の高いものだから」だと考えています。
ヨーロッパの人々がオープンテラスを好む理由
ヨーロッパの気候
ヨーロッパの大部分の気候は、ケッペンの気候区分では温帯(記号:C)に属します。
気温は大きく上下せず、雨は通年で降ります。
日本と似たような気候と思ってもらえればいいでしょう。
しかし、日本とは重要な点で異なります。
ヨーロッパは、夏が短く冬が長い
それは、緯度が高いことで、「夏が短く冬が長い」という点です。
高緯度に位置する場所というのは、太陽高度は低くなります。
これが、ヨーロッパの冬が長い原因です。(詳しい説明は、割愛します。)
以下は、ヨーロッパ主要都市と札幌、東京、大阪、鹿児島の緯度です。
都市名 | 緯度(北緯) |
---|---|
札幌 | 43° |
東京 | 36° |
大阪 | 34° |
鹿児島 | 31° |
パリ(フランス) | 48° |
ベルリン(ドイツ) | 52° |
ミュンヘン(ドイツ) | 48° |
プラハ(チェコ) | 50° |
ブダペスト(ハンガリー) | 47° |
コペンハーゲン(デンマーク) | 55° |
パリを筆頭にこれらの主要都市全ては、実は北海道稚内市より高緯度に位置しています。
これに1月1日の日の出、日の入り時刻と日長時間(陽が出ている時間)を加えます。
そうすると、日本より約1時間は太陽が出ている時間が短いことがわかります。
都市名 | 緯度(北緯) | 日の出時刻 | 日の入り時刻 | 日長時間 |
---|---|---|---|---|
札幌 | 43° | 07:06 | 16:10 | 9:04 |
東京 | 36° | 06:51 | 16:38 | 9:47 |
大阪 | 34° | 07:05 | 16:58 | 9:53 |
鹿児島 | 31° | 07:15 | 17:24 | 10:09 |
パリ(フランス) | 48° | 08:44 | 17:04 | 8:20 |
ベルリン(ドイツ) | 52° | 08:17 | 16:03 | 7:46 |
ミュンヘン(ドイツ) | 48° | 08:04 | 16:30 | 8:34 |
プラハ(チェコ) | 50° | 08:01 | 16:10 | 8:11 |
ブダペスト(ハンガリー) | 47° | 07:32 | 16:03 | 8:31 |
コペンハーゲン(デンマーク) | 55° | 08:39 | 15:48 | 7:09 |
私は、冬にプラハ(チェコ)やブダペスト(ハンガリー)を訪れた経験がありますが、
朝は全然明るくならないし、陽はすぐに暮れます。
もう15時ぐらいで薄暗いです。
暗くなってきたので17時くらいかと思っていると、15時過ぎだった記憶があります。
旅行していて、鬱屈とした気分になりました。(ライトアップがきれいですが)
一旅行者の感覚なのかなと思っていたのですが、
冬季の日長時間が短い北欧では、精神疾患にかかる患者の割合が高いそうです。
人間、太陽の光を浴びないとどうにかなってしまうのは、万国共通ですね。
このようにヨーロッパに住む人にとって、太陽光に対する羨望は高いと言えます。
ヨーロッパの長く、暗い冬が、
彼らをオープンテラスに座らせているのでしょう。
以上が、「ヨーロッパの人々がオープンテラスを好む理由」です。
日本でもオープンテラスのある場所が増えています。
しかし、そこまで利用者は多くない印象です。
日本には、それなりに日照時間があり、四季もあります。
その点から、わざわざオープンテラスに座る必要がないのでしょう。
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