昨今のスニーカーブームの中心的な存在である
atmos(アトモス)というスニーカーショップがあります。
この書籍は、atmosの創業者である本明秀文さんの自叙伝です。
一見、旅行とは関係ないようなジャンルの書籍ですが、
本書では、著者が古着やスニーカーの買い付けで世界を頻繁に回っていた様子が書かれています。
その中で、旅行の心得になりそうな点が数多くあったので、
ここにまとめておきます。
ポイント①:海外でおしゃれをするリスク
スニーカーはブラックカルチャーとの結びつきが強く、
アメリカへ買い付けに行く場合、
どうしても治安が良くないエリアに行かなければならなかったようです。
そのために、車の中に買い付けた商品があるのが見えないように
レンタカーの窓を黒いテープで塞いだことが書かれています。
そして特に注意したことは、服装のようです。
決してお金を持っているように見せない(実際は買い付けのために数百万円手持ち)ために、
チャンピオンのスウェットかTシャツ、パンツはリーバイス、シューズはエアフォースワンという
格好をしていたそうです。
私も何度も書いていますが、
海外旅行でおしゃれをするメリットはほとんどありません。
「服装はご自由に」でいいですが、
知らずにカモになるリスクを高めていることを知ってほしいです。
ポイント②:海外でパスポートが盗まれる理由
海外でパスポートの盗難に遭った人が、
「私のパスポートなんて盗んでも何の役にも立たないだろうけど。」
と愚痴っているのを聞いたことがあります。
そんなことはありません。
なぜなら、日本のパスポートは世界一渡航先が自由な旅券だからです。
そのため私達が知らない闇市場では、高く取引されています。
本書に書かれていますが、約3000ドル(≒420,000円)で取引されていたこともあるようです。
よって、闇市場に自分のパスポートを流して、旅行資金などを捻出していた人もいたとか。
安全に旅行するには、
盗んだものをお金に換えて生きている人もいるんだ、
という認識を持っておくことがとても大事です。
辺境ノンフィクション作家の高野秀行さんの書籍にも、
日本のパスポートが闇市場に流れているというような記述がありましたね。
ポイント③:やっぱり現場・現物・現実
本書で、atmosの商売や変遷を時系列に追うことができます。
一貫しているのは、現場・現物・現実です。
創業期の買い付けから始まり、
店舗を重視する姿勢や履いている靴を見るために電車やバスで移動するなど、
著者の目線が常にリアルに向いています。
世の中、インターネットやテレビで得たものを知った気になっている人がほとんどだと思います。
(私も含めて)
外に出て、自分の足で歩きながら、情報を得ることの価値は永遠に失われません。
こういうことは都度都度で意識していないと、ついつい楽な方に流されてしまいますね。
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