皆さんは電車に乗るときに改札を通るでしょうか?
答えは、「Yes」ですね。
おそらく、なにをわかりきったことを書いているのだと思っているでしょう。
しかし場所が変われば、常識は異なります。
改札がない国
電車に乗る際に改札がない国が、世界には存在します。
私が訪れた国で考えるとヨーロッパにそれは多いです。(そもそも南米やアフリカには未訪問。)
具体的にはドイツ、ポーランド、デンマーク、オーストリア、ハンガリーなどが改札のない仕組みで動いています。
もちろん電車賃が無料ということではなく、ちゃんと切符は買っています。
ただ「改札がない」というだけです。
悪いことを考えれば、切符を購入せずに無賃乗車が可能ですが、みんなそうはしていないようです。
(無賃乗車の予防策として、検査員がランダムに検査をして、無賃乗車が見つかれば罰金を払うことになっている。)
どうやら信用や性善説で動いているといえます。
性善説
↓
人はいい行いをする
↓
人は、「切符を買わず乗車して、検査を受けずに目的地で降りることができたら無賃でラッキーだけど、見つかったら罰金で電車賃どころではないから、ちゃんと切符を買っておこう。」と考えて行動するだろう
↓
改札はいらない
翻って日本の話です。
前述したように必ず改札がありますね。
「改札がない」=性善説とすると、日本の「改札がある」のは、「無賃乗車がいるだろうから全員チェックしよう」という性悪説で動いている仕組みと言えそうです。
性悪説
↓
人の本性は悪である
↓
無賃乗車がいるだろうから全員チェックしよう
↓
改札が必要
改札の生産性
私はこの点に、日本で盛り上がる「生産性」や「働き方改革」のヒントがあると考えました。
まずは、日本と改札なし国のGDP(IMFより)順位と一人あたり生産性(公益財団法人 日本生産性本部より)順位を並べてみます。
日本(GDP 3位、一人当たり生産性 20位)
ドイツ(GDP 4位、一人当たり生産性 7位)
ポーランド(GDP 22位、一人当たり生産性 33位)
オーストリア(GDP 27位、一人当たり生産性 11位)
デンマーク(GDP 38位、一人当たり生産性 5位)
ハンガリー(GDP 57位、一人当たり生産性 32位)
改札なし国は全てがGDP順位に対して一人あたり生産性順位が上回っているとは言えませんが、世界的に見て生産性の高い国が多いということがわかります。
つまり、先ほどの「改札がない」=性善説は、生産性が高くする傾向にあるのではないでしょうか?
逆に、全員くまなくチェックする改札は生産性が低いと言えるかもしれません。
無駄な確認はやめよう
これは、改札に限った話ではありません。
特にコミュニケーションで注意が必要です。
みなさんの周りにやたらと確認する人がいませんか?
何でも確認してくる人です。
私の中でひどい経験は、メールを送った後に、「メール届きましたか?」と電話で聞かれたことです。
いりますかね?
その確認。
(このような電話がなければ、私の仕事が捗ったり、この記事もよりエクセレントな言い回しができることでしょう。)
他にも製品を納品するときに、「ちゃんと出荷したか?」とか「指定日通りに納品できるのか?」と聞く人もいますが、「できなければこちらから連絡します。」としか言えないです。
何か良くないことがあるという性悪説でコミュニケーションをとることは、不要な手間ばかりが増え、お互いの生産性を著しく下げます。
このような場合は、自分の精神的不安を解消するために、過度に人の時間を奪っていることになるので、私は非常にタチが悪いと感じています。
「便りが無いのは良い便り」という言葉がありますが、性善説のコミュニケーションの方が生産性の向上に寄与するのではないでしょうか?
通勤に見るコミュニケーション
ここで私は、日本で人はちゃんとやるという性善説で成り立っているなと考える事例に遭遇しました。
それはサラリーマンの通勤です。
そう、サラリーマンは会社に来ることをいちいち確認されません。
あんなにメールをチェックしてほしい人も、私が出社しているかは確認してきませんね。笑
来る前提で、考えられています。
例えば通勤で、自分から、
「今から家を出ます。」「今、ランチをコンビニで買います。」「8時には会社に着きそうです。」
と毎日上司に報告している人はいないでしょうし、
上司も、
「家は出た?」「〇〇駅での乗り換えできた?」「8時に会社に着く?」と聞いてくることもないでしょう。
(やってるとしたら、今すぐやめましょうとアドバイスします。)
急遽遅れる場合は、休む場合に連絡が必要ですが、それ以外は確認は不要。
昔は毎日電話して出社していたのかは知りませんが、結果的にお互いの生産性を奪わない形に落ち着いてます。
駅の改札なんて大したことのない社会の設計です。
しかし、「塵も積もれば山となる」なので、自分のコミュニケーションのあり方に目を向けてみようと思いました。
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