元外交官としても有名な佐藤優さんの十五の夏(上・下)を読みました。
筆者の外交官としての書籍はいくつか読んだことがありましたが、青年時代にこんな稀有な経験をされていたとは。
そのアイデアや行動力には感服です。
ここでは、その中で私が考えたことを書いていきます。
その後の人生に大きな影響を及ぼす
まずは、あらすじを簡単に書きます。
15歳(高校一年)の筆者が、夏休みに一人で、エジプトを経由しスイスに入り、その後ドイツ~旧ソ連の国々を周るという旅行記です。
個人的には、沢木耕太郎さんの深夜特急を超える旅行記に位置づけます。
先にも述べたように、約40年前(1975年あたり)に15歳の青年がこの旅程を一人で成し遂げたということだけでも、驚きです。
その中で筆者が旅先で出会う人が、口々に言うのは「この旅が、あなたの人生に大きな影響を及ぼすことになるでしょう」ということです。
「可愛い子には旅をさせよ」という言葉もありますし、旅には自分の視野を広げることにつながる要素がたくさんあります。
私自身も旅でたくさんの刺激を受けてきました。
旅によく出てると、「そんなに日常が嫌なんだ」とかトンチンカンなこと言う人がいる。確かに旅は「非日常」。そこで感じるのは日常の疑問や無意識感。非日常を経験することは、間違いなく日常のプラスになるんだけどなー
— げーしー@🇹🇭Bangkok Marathon2018 (@14beck) October 17, 2018
しかし、これは旅に限ったことではないよな?とも考えます。
「この旅が、あなたの人生に大きな影響を及ぼすことになるでしょう」の「旅」を何か「〇〇」に当てはめてみる。
そうすると、これまでの取り組みや考え方・意識が改善する人が多いのではないでしょうか?
普段、何気なく食べているものや
普段、何気なくやっている作業、
普段、何気なくやっている会話が、今後の人生に影響を及ぼすことになる。
そこまで肩ひじを張らなくても、ちょっと頭の片隅に置いて日々の行動にうつしていけたらなと思います。
よく言われることですが、未来の原因は過去ではなく、今つくられます。
大それた行動でなくても、気持ちや意識の持ちようが大事ですね。
日本人に生まれたことのインセンティブ
もう一つ感じたのは、日本人に生まれたインセンティブです。
これは私が、旅に出るたびにこのインセンティブを感じていることでもあります。
日本にずっといると、日本人でいることのインセンティブを感じにくくなっているのではないでしょうか。
しかし、海外に行くと日本人で良かったなと思うことが、私は結構あります。
まず、渡航の自由度です。
渡航制限がある国は、今でも一定数あります。
本の中でも、東ドイツやハンガリー、ソビエト連邦の個人の自由旅行ができない状況が書かれていますが、日本ほど世界中自由渡航できる国は珍しいです。
(そのため、日本のパスポートが世界最強などと表現されたりもしますね。)
世界の人たちは、治安を除いて行きたくても行けないエリアや国があります。
私は、このインセンティブを活かして、日本にインバウンドを呼び込む前に、日本人もより外に出ていくことが重要だと考えます。
そこで良いものを吸収して、自分達の行動に活かすマインドセットが大事です。
このように言うのは、日本人のパスポート所有率が低いことを非常に残念に思うからです。
次に、金銭面です。
日本人の平均年収は、2017年時点で432万2千円です。(民間給与実態統計調査より)
高いか低いかは人によって捉え方が違うでしょうが、
これが世界の個人所得分布のどの辺に位置しているかご存知ですか?
自分の所得の世界ランクがわかるWEBサービスGlobal Rich List(http://www.globalrichlist.com/)で調べてみると、上位0.63%だそうです。
上位0.63%ですよ!
これは、極端な言い方をすると、日本人として生まれただけで、成人になると上位0.63%に入れる権利を得ていると言えます。
こんなラッキーありますかね?
福本伸行さんが言うところの「日本人に生まれただけで、サイコロの目で6を出したようなもの」です。
その証拠に、世界中を旅しても、標準レベルのサービスを受けるレストランやホテルで高すぎてお金が払えないということはないでしょう。
我々は、金銭面でも非常にインセンティブがあります。
私は、このようなインセンティブを有効に利用して、自分自身の経験値を上げて続けていきたいなと考えました。
最後に、やっぱり旅はいいなーと。
自分でするのも、人の話を聞くにしても。
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